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例)
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「わざわざ印刷できない」ようにしている政党助成金の使途報告書 /日刊ゲンダイ「ファクトチェック・ニッポン」から
「以前、シンクタンクを作ろうと進言したことが有りますが、一顧だにされませんでした」
前回、野党は政党助成金を使って共同でシンクタンクを作れと書いたところ、何人かの野党の若手議員らからこのような意見を頂いた。何れも旧民主党の議員だ。
それを聞いて、やはりこれは世論、有権者が求めないと動かないと感じざるを得ない。読者の皆さん、是非、声をあげて欲しい。
今回は更にこの政党助成金について考えてみたい。公職選挙法違反の疑いがもたれている自民党の河井克行・前法相と妻の河井案里参院議員がそれぞれ支部長を務める自民党支部に計1億5000万円の入金があったと報道され、案里議員が認めているが、この資金は、この政党助成金である可能性が高い。政党助成金の使途は総務省に報告され、それは公表されているが、去年1年間の収支報告書は今年9月に公表される。その時になれば、わかるだろう。
1億5000万円が政党助成金と思うのは、各党本部から支部に支払われて選挙対策に使われたという説明が政党助成金の使途報告書の内容と合致するからだ。そこに自民党と野党との違いはない。国民民主党、立件民主党ともに、使途報告書を見ると、多くが支部に配分され、支部の人件費や選挙対策費に使われている。勿論、選挙が大事なのはわかる。党勢拡大が重要ではないとは言わない。しかし、選挙対策のみに使っていて、政権交代が実現するのだろうか?是非、政策立案能力の強化に使って欲しい。
実は、この政党助成金については大きな問題が有る。政党助成金の使途報告書は総務省のWEBサイトで閲覧はできるが、印刷はできないのだ。その何が問題なのかと思う人もいるかもしれない。実は問題なのだ。使途報告書は5年しか保管義務が無いからだ。つまり5年を経ると報告書は見ることができなくなる。
仮に印刷が可能なら、それをPDF化して別途データベースを作って管理・閲覧に供することが可能になる。政治家が集めた資金の使途をまとめた政治資金収支報告書は閲覧と印刷が可能なので、私も関わっている公益財団法人政治資金センターでデータベース化している。それによって政治資金収支報告書については保管期限の3年を過ぎても、閲覧、印刷が可能になる。それによって人々の監視の目が届くことになる。しかし、政党助成金ではそれが事実上、不可能なのだ。保管期限を過ぎたものを検証することはできない。
では、なぜ印刷できないのか?総務省の担当者に尋ねると次の様に話した。
「法律で閲覧としか書かれていないので、わざわざ印刷ができないようにしているんです」
担当者も戸惑いを隠さず、「わざわざ」と言った。この政党助成金は私たちの税金から出されている。国民1人あたり250円を払っており、乳児、幼児も同額で負担している。子供2人の一家なら年間1000円の支出だ。そして、その総額は300億円余になる。それが共産党を除く各党に配られているわけで、「わざわざ印刷ができないように」すべきものではない。