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滋賀県と北海道が”全ての政治団体の収支報告書”をネット公表へ

はじめに

 いまだに政治団体の政治資金収支報告書をインターネット公表しない県選挙管理委員会が、新潟、石川、兵庫、広島、福岡の5県ある、と昨2021年11月末にご紹介しました。

いまだに5つの県選管が収支報告書をネット公表せず

 
 もっとも、より正確に言えば、上記5県以外の全ての都道府県が全ての政治団体の政治資金収支報告書をインターネット公表しているわけではないのです。そのうち、政治資金収支報告書をインターネット公表している政治団体を、「国会議員関係政治団体」に限定している県が、実は2つあったのです。
 この2県について「すべての政治団体」に拡大してインタネット公表するよう方針変更されたことを紹介します。
 その前に、政治団体の種類について簡単に説明しておきましょう。
 
 
1.政治団体の種類について
 
 政治団体の種類は複数あり、幾つかの分類の仕方がありますが、ここでは、「国会議員関係政治団体」それ以外の政治団体について、極簡単に説明します。
 「国会議員関係政治団体」は、文字通り、衆議院と参議院の国会議員(正確にはその公職の候補者)の政治団体です。その場合の政治団体には、政党支部のうち、国会議員が支部長(代表)の選挙区支部や国会議員の資金管理団体などがあります。
 一方、「国会議員関係政治団体」以外の政治団体には、政党本部や地方議員・首長の政治団体・政党支部のほか、業界の政治団体などがあります。
 
 
2.「国会議員関係政治団体」以外の政治団体の分のネット公表する必要性
 
 〝国会議員の政治資金だけ調査・分析するから「国会議員関係政治団体」以外の政治団体の分はインターネット公表する必要はない”と思われる方もあるかもしれません。
 しかし、それは大きな勘違いなのです。 
 実は、実質的には国会議員のための政治団体であっても、政治資金規正法の定める「国会議員関係政治団体」の要件を満たしていないため、「国会議員関係政治団体」になっていない政治団体もあります。
 また、「国会議員関係政治団体」の政治資金収支報告書を調査・分析していると、そこの政治資金が「国会議員関係政治団体」以外の政治団体へ寄付などの形で流れている場合が多々あります。
 そうすると、「国会議員関係政治団体」の政治資金の調査分析を徹底して行うためには、「国会議員関係政治団体」以外の政治団体の政治資金収支報告書も調査・分析する必要が生じます。
 したがって、「国会議員関係政治団体」の政治資金収支報告書だけではなく「国会議員関係政治団体」以外の政治団体の政治資金収支報告書もインターネット公表する必要があるのです。
 さらに言えば、地方議員・首長の政治団体・政党支部は「国会議員関係政治団体」ではないので、地方議員・首長の政治資金を調査・分析したい場合には、「国会議員関係政治団体」以外の政治団体の政治資金収支報告書もインターネット公表する必要があるのです。
 
 
3.滋賀県選挙管理委員会について
 
 滋賀県選挙管理委員会は、2017年から「国会議員関係政治団体」に限定し、それらの政治資金収支報告書をインターネット公表していましたが、「国会議員関係政治団体」以外の政治資金収支報告書についてはインターネット公表していませんでした。
 したがって、
 2021年12月29日付京都新聞の報道(下記掲載)によると、昨2021年分から「国会議員関係政治団体」以外の政治資金収支報告書についても(今年11月までに)インターネット公表することになるそうです。
また、2020年分以前の分についてインターネット公表するかどうかについては「検討中」だそうです。
 
 
京都新聞2021年12月29日付
 
 
4.北海道選挙管理委員会について
 

 また、北海道選挙管理委員会も、滋賀県選挙管理委員会と同じように、これまで「国会議員関係政治団体」に限定し、それらの政治資金収支報告書をインターネット公表していました。

 先日、北海道選挙管理委員会に電話して確認したところ、北海道選挙管理委員会も、滋賀県選挙管理委員会と同じように、昨2021年分から「国会議員関係政治団体」以外の政治資金収支報告書についても(今年11月までに)インターネット公表することになるそうです。

 

最後に

 以上の2県が「国会議員関係政治団体」以外にまで拡大することを確実に実現することになれば、新潟、石川、兵庫、広島、福岡の5県以外の都道府県は〝全ての政治団体の政治資金収支報告書をインターネット公表する”ことになります

 そうなると、上記5県がいつになったらインターネット公表するのか、言い換えれば、いつになったら国民・市民にとって使い勝手の良い県選管への転換するのか、ますます気になってきました。

以上。

 


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